農業が大嫌いでした
私は、米農家の生まれ育ちです。
小さい頃から、親の苦労を見てきて苦労の割には、収入が少なく 汚れ仕事だし大人になったら絶対に農業は嫌だと思っていました。
普通に就職しました
だから、学校を卒業した後も家を出て会社勤めをしていました。
でも、工場で現場事務をしていました。
工場と事務所を行ったり来たりするのに、工場と事務所は建物が別なので、必ず外へ出なければいけません。
働いているのは、普通に朝から夕方までです。
その日は、いつも通り外に出ると、とってもいいお天気でした。
その時思ったのです、「こんないいお天気に、私はいったい何をしているんだろう。」と、こんなにいいお天気の日は、外に出るのがいいんじゃないのかな、とも思いました。
その頃は、若かったので色々と流行の洋服を着たりしていましたが、そういう生活にこれといった理由もなかったのだけれど、何となく自分には合わない生活をしているのではないか、と思い始めていたころでした。
結婚しました
それから、夫と知り合い結婚したのでした。
もともと植物には、全くと言っていいほど、興味はなく、猫とか犬のように反応のある動物の方が好きでした。
結婚をしてから2,3年は米も作っていたので、田植えや稲刈りもしていました。
近所では、田植えをしている嫁さんとして、ずいぶん驚かれていたようでした。
子どもの頃は、田植えも稲刈りもしていたので、私としては何の抵抗もなく手伝っていましたが、当時でもすごく珍しかったようです。
種の不思議に気がつきました
結婚してから、農業を始めたわけですが、子どもの頃に感じていた農業に対する嫌な感じはなく、興味深いことがいっぱいあって、楽しく勉強しながら働いていました。
種にしても、大きさは様々ですが、ほこりのような小さな種もあれば、胡麻くらいのもあるし、とっても細長いのもあるし……でも、種を蒔いて何日か経つと、どの植物も双葉が出てくるのです。
そのうちもっと成長すると、その植物の特徴が出てくるのです。
あの種からは、想像もつかないほどの素敵な花が咲いたりします。
あの小さな種の中に、これから芽が出て花が咲き枯れるまでの沢山の情報が入っているのかと思うと、神様も凄いことをなさるなぁ……と感動すらします。
自然と街を考える
そして、花だけでなく植物や動物等、自然全体も考えるようになりました。
私は、田舎に住んでいるわけですが、町の方に出ると土が見えないことがとっても気になります。
たぶん、土があると草が生えてくるから、草が生えてくると除草しなければいけないから……その手間を省くためなんでしょう。
これは、私の考え過ぎかもしれませんが、土が見えている方が人って落ち着くのではないかと思います。
私だけかもしれませんが……
あと、土がたくさん出ている方が、大雨になった時に水を吸ってくれ自然の貯水池の働きをしてくれると思うんですけれど……
人ってしょせんは、自然の中で生きていくのが一番合うし、落ち着くし元気が出ると思うんですが……私の独りよがりかもしれませんが……ね。